ロストワックスで作るシルバーアクセサリーの流れと必要な工具の紹介

立体的な作品作りに向いていて、作業音も静かな加工方法

いわゆる鋳造という技術分野に含まれる一つです。騒音、塵などがでにくく、必要な工具も少ないため、ちょっと凝ったものを作ってみたい初心者の方から、オーダーメイド品や量産品などを作成するプロの方まで、幅広い層が使用している技法です。とっつきやすいけど奥が深い(沼も深い)ですが、マスターすると色々な表現ができるようになります。

平面的な作品も作れますが、どちらかというと立体的な作品の造形に向いている技術です。例えばシルバーリングやペンダントトップですね。逆に薄い平面的なものは苦手で、そういったものを作りたい場合は、金属の板を直接切った方が早く、安く、きれいに作れます。

ロストワックスの技法を使えば、一つのものを作る時間だけで複数個作ることができます。ワックスで型を作り、それを複製しているからですね。ちなみに市販品の多くはこの方法で作られています。ティファニーや4℃みたいな有名ブランドのペンダントトップなんかも、この製法で作られています。

では個人で一点物を作る場合では向いていないのかというと、そんなことはありません。むしろ役に立つことの多い技術です。

例えばネックレスのマントルを作るという作業。こちらはこのロストワックスで技術を使って作ることができます。正しいメリットばかりではなくデメリットも存在します。基本的に熱々に熱せられた金属を溶かして型をの中に流し込んで作っていくためあまりにも細いデザインや細かいデザインはうまく作れない場合があります。

ワックスを使わなくても例えば粘土と石膏を使って、融点が低い金属(錫など)で作ることも可能です。

どれくらい細いデザインが可能かというのはワックスを金属に変える作業(鋳造)をしてくれるメーカーによりますが、おおむね1 mmより細いものは難色を示される印象が多いです。

こちらに私がキャスティングをお願いしたお店の中でおすすめの所を貼っておきます是非参考にしてみてください。

作り方の流れ

作りたいものを決める

指輪か、ペンダントトップか、何かのパーツか、など作りたいものを決めましょう。

必要な種類のワックスを用意する

作りたい形によって、ワックスの溶ける温度別に

形をつくる

ワックスを切ったり、削ったり、くっつけたりしながら整形していきます。

余分なワックスを削る

デジタルスケールで測りながら、デザインが崩れない範囲で細く、薄くしていきます。ワックスを金属に変える(鋳造)ステップでは、使った金属1gいくら(例えば銀1g100円など 2021年3月)とお金がかかります。そのため、使うワックスの量が少ない=軽い=使う銀も少ない=地金代がちょっと安くなる、ということです。

ワックスの重さを量ったら、あらかじめ銀などに加工した時にいくらぐらいになるか計算しておくこともおすすめです。

表面を滑らかにする

金属になってから表面の凹凸などの傷を消そうとすると、そもそも時間がかかる上に、形が崩れがちなので、ワックスの間に完璧に傷が無い状態にしましょう!

鋳造に出す

どのような金属にするのか、いくつ作ってもらうのか、仕上げまでしてもらうのかなどを決めて、鋳造に出します。ちなみに、ワックスで作った原型は製法上返ってきません(金属になって返ってきます)ので、それが悲しい場合は鋳造に出す前にワックスの記念写真などをとっておくことをおすすめします。

自宅で鋳造を行う人もいますし、鋳造用の設備も売っていますが、高価&技術が必要なので、こだわりが無ければ外注しましょう。

仕上げ

鋳造から返ってきたシルバーアクセサリーを確認して、磨き・石留・着色などの仕上げ作業を行います。ひとつ前のSTEPで、仕上げまで依頼して鋳造に出していれば不要な作業です。

もしペンダントトップなどであれば、必要なパーツをつけて完成です!

完成!

使う道具

ロストワックスでの作品作りに必須な道具

ワックス用の糸鋸刃(スパイラル糸鋸刃)

普通の金属用の糸鋸刃でも一応削ることは可能です。が、ワックス専用の糸鋸刃を使用することをお勧めします。こちらの方がストレスなくワックスを切ることができます。

糸鋸フレーム

これは糸鋸金の鋸刃に使う、通常の糸鋸フレームと同じものを使えます。ただ、ものによってはワックス用の糸鋸刃を挟みにくいです。もしワックス専用に買うのであれば、こちらのものをお勧めします。穴の中に糸鋸刃を通す仕様になっていて鋸刃の着脱もしやすいですよ。

やすり

ワックスを糸鋸で切った跡や、ワックスで作ったパーツの細い形を整えたり、ワックスの表面をなめらかにするのに使います。こちらもワックス専用のヤスリが様々な形・目の粗さであります。ロストワックスでシルバーアクセサリーを作る場合は最初からワックス専用のヤスリを買うことがお勧めです。

ストッキング

なんでストッキング?と思った方もいるかもしれません。ワックスの表面を磨くために使います。

普段からストッキングまたはタイツを履いて生活されている方は、穴が開いて日常使いできなくなってしまったストッキングで十分です。ラメ入り、ラインストーンつき、裏起毛であったかい!みたいな豪華なストッキングよりも、ただの安いストッキング(またはタイツ)の方が、おすすめです。(ラインストーンなどで万が一ワックスに傷がつく可能性があるため)

スリ台とクランプ

地金の加工にも使うすり台です。 ただ、金属用とワックス用に分けたほうが無難です。一緒でもいいんですけれども、金属を切ったり削ったりした後に、十分に金属粉をスリ台からはたいておきましょう。でないと、ワックスを加工する時に金属粉がワックスに入ってしまったり、引っ掻き傷をつけてしまったりして、その傷を治すのに余分な時間を使うことになることもあるからです…

ちなみに、 スリ台二つもいらないよ!という場合は、もう着ない T シャツなどの柔らかい生地(綿100%のもの、あるいはウエス)を用意してください。

スリ台に T シャツなどの柔らかい生地を巻き、その上にワックスを置いて作業しましょう。 これで代用できます。ちなみに削る作業や仕上げの作業はなんなくいけます。ただ、切る作業はちょっとやりにくいですが、これを毎回やればワックスに金属粉がつく可能性がとても下がります。

マジックペン

ワックスをどこで切るのか、どこまで削るのか、みたいな印をつけるのに使います。 細いマジックペンがお勧めです。細すぎると書きにくくなるので、まあ普通にお名前ペンの細い方ぐらいを使うのがお勧めです。

キサゲ

角がある作品などで表面やすみっこを削ったり表面を整えたりするのに使います。ただ、刃先が綺麗に研いでいないと、その分その影響がワックスにも如実に現れるのでしっかり磨いておくのがおすすめです。

シルバーリングを作る場合に追加で必要な道具

サイズゲージ

指にはめて、作る指輪をはめたい指のリングサイズを測るのに使います。 これはなくても大丈夫です。サイズゲージなしで作る場合は、指の太さを紐で測って、その紐の長さを定規で測るということをすればリングサイズがわかります。ただサイズゲージはメーカーによってサイズが微妙に変わるんですよね…

ワックスリーマー

指輪の内側部分を円形に削り出すために使う道具です。 多少内側の円が歪んでてもいいとか、C 型リングを作るというような場合は不要です。ただしこの道具があった方が
1.早く
2.真円に
削りすぎずに、削ることができます。つまり指輪を適切なサイズに、装着感良く作ることが可能です。真円をやすりで削り出すのは正直難しいので、はめてみると、「あれ?なんか…うん、しっくりこない?」みたいな付け心地の悪いものになる可能性も…

指輪を1個作りたい、という場合は不要、たくさん作るなら買うことをおすすめする道具です。ヤスリだけ対応の場合は糸鋸で切り出し→やすりで整えるという手順を踏みます。

リング棒

作った指輪をはめ、リングサイズを測るために使います。ワックスリーマーにもリングサイズが書いてあるものもあります。ただ、内側をヤスリなどで整えたあとのワックスの指輪や、鋳造後金属になった指輪をワックスリーマーにはめると、指輪の内側に傷ができてしまいます。そのため、サイズ確認にリング棒を使います。

ちなみに、鋳造から返ってきたシルバーリングのサイズ確認を行うのは、鋳造時に微妙にサイズが変わるからです。

太めのリングサイズのシルバーリングも作るのならばこちらの30号までのゲージがおすすめです。

20号までのリングサイズで良ければこちらで十分です。

鉄芯棒+金槌または木槌

シルバーリングをはめて、木づち、または金づちでとんとん、と叩くとこういったことができます。

  1. 指輪のサイズを大きくしたいとき
  2. 指輪の内側を真円にしたいとき
  3. 熱が加えられて柔らかくなった銀を締める(叩いて硬くする)とき
  4. 指輪の表面に槌目(飾り)をつけたいとき
    (ロストワックスではなく、金属の板から指輪を作るときの使用用途)

あると作業がはかどる道具

カニコンパスまたはスプリングコンパス

例えばシルバーリングを作る場合に、作るリングの幅に合わせてワックスを切り出すための印をつけるのに使います。

精度は落ちますが、定規とマジックペンで代用することもできます。

幅を記すだけなら、ノギスもありです。

スライディングゲージまたはデジタルキャリパー

ワックスで立体作品などを作った場合、裏面はできるだけ余分なワックスを削り取ります。場所によって厚みをあえて変えたり、均一にしたりしますが、そのときに厚みを測るのに使います。 デジタルキャリパーの方が値の読み取りはしやすいですが、対応範囲が狭く、また高価です。
スライディングゲージはワックス用が一番なのですが、割と売り切れ気味なので、金属用でそっと傷つけないように行いましょう。

スパチュラ&アルコールランプ

アルコールランプでスパチュラの先端を温めて、ワックスを溶かして削ったりワックスを温めてくっつけたりするのに使います。 ただワックスペンを使い始めると、いちいちスパチュラの先端を温めることが面倒に感じ始める程度にはワックスペン、便利です。ワックスでたくさんシルバーアクセサリーを作るぞ!という意気込みの方は最初からワックスペンを買い、お試しでちょっとスパチュラを使ってみたいなあという場合はスパチュラを試してみてください。

ワックスペン

熱でペン先が温まってワックスの加工がしやすくなるスパチュラです。 はんだごての低温・スパチュラverをイメージしてもらえればと思います。

デジタルはかり

ワックスの重さを測って、キャストに出した時にどれぐらいの地金代がかかるのか、概算するために使います。購入する時に気をつけたいポイントは次の二つ。

  1. 何かものを載せてから0 G の設定ができるか
  2. 最小表示単位が0.1 g か

普通のキッチン用のデジタルスケールにはだいたいついている機能ですので、この2つを満たしていれば、後は色やデザインをお好みのものでOKです。

材料(ワックス)

色々な種類があります。色毎に融点・硬さが異なるワックスを、作りたい形・完成させたい作品の表情(角がしゅっと決まっている、丸くてなめらかなど)によって使い分けます。使いやすいようにある程度成形されたワックスもあります。

初心者向けワックス

意見が分かれるところではありますが私は青色がおすすめです。この他にも緑色と紫色のワックスがあります。シルバーリングを作るのであれば、最初から指輪の真ん中部分が空洞になっているものが使いやすいです。

いろいろ作ってみたいよという場合はこちらのブロックタイプがおすすめですね。

成型済みワックス

加工がしやすいようにあらかじめ成形されているワックスですボートかいたとか後は上でちょっと紹介しているリングように穴が開いたものとか円筒状になっているこちらもリングようですねがあります。 作りたい作品に応じて使い分けると加工の手間がグッと減りドヘリ5の仕上げをする時間に作業に時間を使うことができます。 ただ色が違うワックスを組み合わせる場合はそれぞれ溶ける点が異なるのでそこだけくっつけ方家削る時の力のかけ具合を気をつけていただく必要があります。

必要な道具まとめ

ロストワックスでの作品作りに必須な道具まとめ

  1. ワックス用の糸鋸刃(スパイラル糸鋸刃)
  2. 糸鋸フレーム
  3. やすり
  4. ストッキング
  5. スリ台とクランプ
  6. マジックペン
  7. キサゲ

シルバーリングを作る場合に追加で必要な道具まとめ

  • サイズゲージ
  • ワックスリーマー
  • リング棒
  • 鉄芯棒+金槌または木槌

あると作業がはかどる道具まとめ

  • カニコンパスまたはスプリングコンパス
  • スライディングゲージ
  • スパチュラ
  • アルコールランプ
  • ワックスペン
  • デジタルはかり

材料まとめ

  • ワックス

ワックスは色によって何が違うのまるワックスは色によって硬さという点が異なります

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