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毎回金属ヤスリを使った後にお手入れをしていても、遅かれ早かれ多少目詰まりしてしまう。それが棒ヤスリの宿命の様です。特に目の細かい、10本~12本組の精密ヤスリで目詰まりしやすい銀の様なやわらかい金属を削ると、1,2回の使用で目詰まりしてしまうことも。
今回は、目詰まりして使えなくなってしまったヤスリを、身近な工具で復活させる方法をご紹介します。この方法でぜひ、お使いのヤスリを長く使ってくださいね。
棒ヤスリの目詰まり対処方法とおすすめのヤスリの種類
目詰まりして、金属の上を滑るようになってしまったヤスリの復活方法はいくつかあります。
- 初級:真鍮ブラシでブラッシング
- 中級:ボンドでパックして固めて、ヤスリ目に詰まった金属を取り除く
- 面倒:キサゲで1目づつ掃除していく
お手軽さ、金銭的なとっつきやすさ順で紹介しています。これらの方法のおすすめ具合はヤスリの種類や大きさによっても異なります。合わせてどんなヤスリに向いた方法なのかも書いていますので、参考にしてくださいね。
もし、ヤスリの目詰まりが気になりすぎて作業が手につかない場合は、目詰まりしないヤスリを使うのも選択肢に入れましょう。
棒ヤスリが目詰まりしたら1:真鍮ブラシでブラッシング
ブラッシングに必要なもの
- 目詰まりしたヤスリ
- 真鍮ブラシ
真鍮ブラシを使った目詰まり解消の手順
向いているヤスリ
○ 鉄鋼ヤスリ、組ヤスリ
× 精密ヤスリ
・目が細かく、細いヤスリ。
・真鍮ブラシをかけられないわけではないが、かけにくい。
× 丸ヤスリ
・棒ヤスリの形自体が丸いため、真鍮ブラシをかけにくい。
・ボンドでの復活方法のほうが楽。
棒ヤスリが目詰まりしたら2:ボンドパックでヤスリ目に詰まった金属を取り除く
ボンドパックに必要なもの
- 目詰まりしたヤスリ
- 新聞紙など、いらない古紙
- ボンド
ボンドを使ったヤスリの目詰まり解消手順
詳しくは、こちらの記事で木工用ボンドでヤスリの目詰まりをとる方法とそのポイントを写真付きで紹介しています。
簡単で楽!木工用ボンドでヤスリの目詰まりをとる方法を写真付きで紹介
向いているヤスリ
○ 精密ヤスリ
・目が細かく、キサゲやブラシでの目詰まり解消に向かないため。
○ 丸ヤスリ、甲丸ヤスリ
・半球~円状のヤスリは、キサゲやブラシがかけにくいため。
× 鉄鋼ヤスリ
・ボンドが大量に必要になる為不向き。ボンドの消費量に糸目をつけないならば有り。
棒ヤスリが目詰まりしたら3:キサゲで1目づつ掃除する
キサゲでヤスリ目に沿って、金属粉を一列ずつ丁寧に取っていくという方法です。半端なく単調な繰り返し作業です。
鉄鋼ヤスリはまだこそげ落とすのが楽ですが、正直精密ヤスリになると諦めたくなります。精密ヤスリとキサゲ、双方の刃をダメにしているような気分になります。
短調作業が嫌いな方にはただの地獄ですが、好きな方にはたまらなく楽しい作業らしいですよ。達成感があるんだとか。まあ成果が目に見えるので、お掃除が好きな人と同じ心理でしょうね。
キサゲを使ったヤスリの掃除に必要なもの
- 目詰まりしたヤスリ
- 先が三角形のキサゲ
- 真鍮ブラシ
- 根気&集中力
キサゲでヤスリの目詰まりを解消する手順
このブラッシング作業をしておくと、この後のキサゲでの掃除が若干楽になる。
やり方は、ヤスリの目に沿ってブラシをかけるだけ。
キサゲの持ち方:利き手で、スプーンを持つように持つ。
ヤスリの持ち方:利き手と反対の手でヤスリを下から包み込むように持つ。
向いているヤスリ
○ 鉄鋼ヤスリ~組ヤスリ
× 精密ヤスリ、細目ヤスリ
目が細かすぎて、キサゲがかけづらい。
ヤスリが目詰まりした時の、復活させる以外の解決方法
目詰まり解消の単調作業が無理な場合は新しく買うのもアリ
どうしてもここまでで上げた目詰まり解消方法が単調作業すぎて無理、という方はあきらめてお金で解決しましょう。
そうです。ヤスリを新しく買うのです。
基本的に精密ヤスリは詰まりやすいので、ある程度のところであきらめも必要になってきます…。ちなみに鉄鋼ヤスリも詰まる時は詰まります。
買い換える場合は、どうせなら目詰まりしにくいヤスリ(例えば「ツボサン ブライト900 5本組セット」)を買うことをおススメします。少しお高いですが、その価値はあります。
たとえば 「ツボサンの目詰まりしないヤスリのシリーズ」は、そこまで入念にお手入れしなくても他のヤスリに比べて目詰まりしにくいです。私も組みヤスリとしてこのシリーズのものを数本持っています。
しかしお値段もそこそこします。
- 標準性能のヤスリを買ってマメにお手入れするのか
- お手入れフリーなヤスリを買ってその時間を制作にあてるのか
どちらを選ぶかは、あなた次第です。しかし少しでも時間を節約したいのなら、 「お手入れフリーなツボサンのヤスリセット」 が圧倒的におすすめですね。
ちなみに、目詰まりした精密ヤスリは加工すればキサゲとして再利用できますから、間違っても捨てないでください。手作り分野において、「もったいない精神」はとても大切なのです。
フラックスでヤスリが目詰まりしたときの解消方法
ロウ付けしたあとのピンセットのお手入れ時に、うっかり固くなったフラックスにヤスリをかけてしまうこと、ありますよね。そうすると、フラックスがヤスリの目に詰まってヤスリが使えなくなってしまう…そんなときは、次の手順でフラックスを除去しましょう。
フラックスで目詰まりしたヤスリのお手入れに必要なもの
- ヤスリがすっぽりと入るサイズの容器、バケツなど
- ぬるま湯
- ナイロンブラシ、又は真鍮ブラシ
- タオル
- 防錆スプレー
フラックスで目詰まりしたヤスリを復活させる手順
ヤスリが浸るまでお湯を入れ、2時間ぐらい放置する。
お湯の温度、フラックスの量、ヤスリ目の細かさで時間は変わります。様子を見て、まだフラックスが硬そうだったら、もうしばらく水につけておいてください。
向いているヤスリ
○ 鉄鋼ヤスリ~組みヤスリ
× 精密ヤスリ、細目ヤスリ
目が細かすぎて、キサゲがかけづらい。
ただ錆びないように、
- 液体状のフラックスを残らせない
- 水気をしっかり拭き取る
- 好みで錆止めスプレー
という、3点を意識しましょう。
金属ヤスリの目詰まり復活方法のまとめ
- 真鍮ブラシでブラッシング ⇒ 「YATSUYA 真鍮ブラシ 4行」
- ボンドで固めてはがす ⇒ 「ボンド 木工用 50g(ボトル)」
- キサゲで一列づつ綺麗にする ⇒ 「ミネシマ キサゲ」
- 目詰まりしないヤスリに買い替え ⇒ 「ツボサン ブライト900 5本組セット」
- フラックスを除去する ⇒ 「SK11 竹ブラシ 曲柄 ナイロン毛 NO.17」