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銅や真鍮、鉄などの金属と異なり、銀は加熱した時の見た目の変化が少ない金属です。そのために、慣れないうちは銀を溶かしてしまうこともしばしば…。
では何に気をつければ上手に銀をなませるようになるのか?そのポイントを書いています。
銀を溶かさないでなますためのポイント
もう銀を溶かさないぞ!と思っても、一体何に気をつければ良いのでしょうか?
実はポイントは銀とガスの色の変化の見極めにあります。
1. 作業場を薄暗くする
トーチやバーナーで炙ったときの、銀の色変化はごく僅かです。巷では薄オレンジに発光する、とか、薄ピンク色になったら、などと言われていますが、明るい部屋で色変化を観察していたら、だいたい手遅れになります。
見に覚えのある方、いますよね?
理想は、生活するには支障がないけど読書には暗いと感じる明るさ、です。
2. 冷却水を用意する
気を付けているつもりでも、銀は溶けるときには溶けます。
やばい!溶ける!と思ったときにすぐに冷やせるように、適当な器に水道水を張っておきましょう。
銀を溶かさずなます具体的な手順
- 手前から火を当て始める。
1っ箇所に当て続けるとそこだけ高音になって溶けるので注意 -
少しづつ横にスライドさせる
- 横一段が加熱されたら、それより少し上を、同じように加熱する。全体が温まるまで繰り返す。
素の状態→乾燥したように膜が出来る→濡れたようにテカる→しばらくそのまま→うっすらと発光→発光をたやすく目視できる=溶ける寸前、融点間近
うっすらと発光~がっつり発光の中間ぐらいが良いです。
ちなみに925だと、がっつり発光までロウ付けのためなどで加熱すると、割材の銅が925銀の表面に出てくるので注意
うっすらと発光の見極め方
冷たい地金にあたっている火は、地金に反射した火も色が無いか青に近いです。
なまし作業完了寸前の温度になっている地金にあたって反射した火は、反射した部分だけオレンジ色になります。
地金からオレンジ色の火が出ているように見えるようになったら、そろそろ火を外して良い、という合図です。
銀本体の発光や、火の具合を見極めやすくするために、スタンドライトなどはなしで、少し暗いぐらいが丁度良いです。
冷やし方
純銀、純銅など
そのまま冷却して大丈夫です。冷却用の水に突っ込むと、時短できます。
925、真鍮などの合金
急冷すると組織構造に負荷がかかり、ひび割れの元になるので室温で徐冷します
徐冷には耐火レンガなどの上においておくと良いです。