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初めて金属を加工するときは、何を準備して、何から手を付ければいいのでしょうか?
今回は一番簡単で必要な道具の少ない「しおり」を例にして、ステップごとに、ひとつひとつ丁寧に解説していきます。
大きく分けて、デザイン、成形、仕上げの3ステップで、オリジナルデザインのアイテムが完成します。
自分の書いたデザインを使いたい!オリジナルのアクセサリーを作りたい!場合は、こだわって作りたい、オリジナルアクセサリーの作り方をご覧ください。
今回は「しおり」を例に見ていきましょう。
※しおり を選んだのは、一般家庭にはハンドドリルがないためです。ハンドドリルをお持ちの方は、しおりの端に穴を開けてチェーンを通せば、ネックレスを作れますよ。
デザインと事前準備
作る作品の デザインを考えて描く
作りたいデザインを紙に描きましょう。鉛筆で描いたらコピーをするか、油性ペンでなぞってくださいね。
パソコンで描ける人は、画面で白黒で描いて印刷しましょう。
初めて作る場合は、下記を参考にしてください。
サイズ:3 cm ×5 cm前後
大きすぎても、小さすぎても、それぞれ大変です。
デザイン:外側の輪郭のみ。つまり黒塗りシルエット。
中に透かし模様(切り抜く部分)があるものは、ハンドドリルやボール盤が必要になります。また、手順も少し異なります。
デザインなんて無理だわ、という方はグーグルで「○○(作りたいモチーフ) シルエット」と検索しましょう。画像をダウンロードして印刷して、サイズを見ましょう。大きすぎたり小さすぎたりしていませんか?
ちょうどよいサイズなら、そのデザインで作りましょう。販売用ではなく、個人で楽しむ範囲内なら、素材として利用OKのシルエット素材を配布しているサイトが沢山ありますよ。
必要なもの
- 鉛筆
- 消しゴム
- 油性ペン
- コンビニなどのコピー機
- アイデア
デザインした図が入るサイズの地金を用意する
地金(金属)を用意しましょう。
素材:真鍮
厚み:0.6 mm
寸法:上で考えたデザインより大きいもの
入手方法:東急ハンズ、Amazon、シーフォースなど
真鍮は、簡単に手に入り、お財布にも優しく、適度な硬さがあって加工しやすい素材です。
必要なもの
- 真鍮板
メモ 真鍮版
銅と亜鉛の合金で、それぞれが何割含まれているかによって、銅:亜鉛の割合が6:4のものをロクヨン、7:3のものをシチサンと呼びます。東急ハンズなどで買えるものは、ほとんどの場合はロクヨンです。
銅の含有量によって、ロクヨン、シチサンは固さ、着色のしやすさ、黄いみ、価格などが異なります。ただの栞として使用する場合は、より安価なロクヨンで問題ないでしょう。
デザインを張り付ける
地金に木工用ボンドでデザイン画を張り付けましょう。速乾(白)でも通常(黄色)でも構いません。
先にボンドを地金に薄く伸ばしておいてくと、しわになりにくいです。スティックのりだと糸鋸で切っている途中にはがれてくることが多いので要注意です。慣れないうちは使わないほうが無難です。
皺なく貼れたら、乾くまで待ちましょう。
必要なもの
- デザイン画
- ボンド
作業場の準備
作業机に、すり台と呼ばれる木の板を固定します。固定には万力を使うと良いでしょう。すり台はなくても大丈夫ですが、作業性が著しく落ち、また、机を切る可能性があります。手元に適当な木の板がある人は、すり台を自作しても良いでしょう。
すり台の真下に、削りくず回収用に新聞紙をひきます。空のトレーがあれば、それを置くのも効果的です。
必要なもの
- すり台
- 万力
- 削り屑受け(新聞など)
作業着に着替える
汚れても良いズボンと靴下を履きます。
気になる人は手袋をしましょう。滑り止めのついたシリコン手袋が便利ですが、軍手でも代替可能です。素手でも作業上の問題はありません。
必要なもの
- 作業ズボン
- 作業靴下
- 手袋(任意)
糸鋸のセッティング
鋸刃(糸鋸の刃)を糸鋸に張りましょう。糸鋸にはフレームがコの字型のものと、可変式のものがあります。今回はコの字型の、ねじ式の物を使用します。
鋸刃が下向きの三角形になるように、フレームに張ります。けれど、そのまま糸鋸に鋸刃をとめるだけだと、きちんと張れません。切れないことはないですが、折れやすく、切りにくいです。
そこで、まず下側のネジに鋸刃の端をとめます。左手で糸鋸の持ち手を握り、フレームの頭を作業台に押し当てます。右手で上側のネジに糸鋸をとめます。(左利きの人は左右逆でやってください)ここで、ねじをしっかり回していないと、手を離した瞬間に、鋸刃が外れてビックリします。
鋸刃を貼った状態で、鋸刃に親指を押し当てて、鋸刃がたわまなければ張り具合は丁度良いです。
必要なもの
- 糸鋸フレーム
- 糸鋸刃
成形と仕上げ
デザインの切り出し
いよいよ金属加工らしい作業の始まりです!
糸鋸は上下に動かすと切れる道具です。糸鋸は利き手で持ち、反対側の手で地金を押さえます。
まずモチーフの近くに切り込みを入れましょう。切り始めは糸鋸を前に倒すと滑りにくく切りやすいです。
1 mmほど切り込めたら、糸鋸の傾きを戻し、まっすぐ持ちます。そのまま出来るだけ糸鋸のフレームをまっすぐに保ったまま切っていきます。
このとき、出来るだけ線の外側丁度を切るように意識すると、思い通りに切れます。
必要なもの
- すり台
- 糸鋸
- 糸鋸刃
- 地金
ヤスリをかけて形を整える
思い通りに切れず、切り残してしまったところや、刺さりそうな角が出来てしまったところには、ヤスリをかけましょう。
削る部分が多い場合は組ヤスリが良いですが、持っていない場合は精密ヤスリで良いでしょう。同じものを作らなければいけない場合は違いますが、多少形通りにいかなくても、味が合って良いものです。
必要なもの
- すり台
- 組ヤスリ又は精密ヤスリ
- 地金
バリ取り
精密ヤスリで側面全体をさっと撫でます。角も同様にさっと撫でるように精密ヤスリをかけてバリをとります。
キサゲを持っている場合は、キサゲで側面のバリを取ります。
バリとは、糸鋸で切ったり、ヤスリで削ったりしているときに出てくるもので、放っておくと指や衣服に引っ掛かります。
必要なもの
- すり台
- 精密ヤスリ
- キサゲ
- 地金
仕上げ
真鍮は放っておくと時間経過とともに変色します。変色が嫌な場合は、最初からクリアラッカーやニスを使いましょう。百円均一で売っているものでも大丈夫です。
必要なもの
- クリアラッカー又はニス(変色が気になる場合)
完成!
これで、初めての、あなただけの「しおり」が完成しました。
思い通りにできたこと、不満が残ること、いろいろあると思います。金属加工の技術は、何回も繰り返し作っているうちに、確実に上達します。
ポイント別の解説記事もありますので、上手くいかなかった部分に関しては、こちらをご覧くださいね。
もっと複雑な表現や模様にチャレンジしてみたい方は、こだわって作りたい、オリジナルアクセサリーの作り方をご覧下さい。