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綺麗に角を出したいときってありますよね。角がビシッと決まると、同じものでも垢抜けて見えるものです。でも、そううまくできないのが難しいところ。
金属にそんなときのやり方、ポイントを角度のチェック方法と共に紹介します。
直角を出すためのポイント2つ
直角を測る道具を使う
四角く削ったはずの金属がなんとなく歪んで見える…
そういったときに、きちんとどの辺がどれくらい歪んでいるのか、ずれているのか、ということを数値で知るのは大事です。
幾度か、ずれていると認識→測る→削るという作業を繰り返していると、自分が違和感を感じたズレに対してどれくらい削れば良いのか、定規を使わなくてもわかるようになります。
1000円前後で、直角を測れる道具が沢山あります。どれか一つ持っていると便利です。製作もはかどりますよ。
直線と直角はこの下のどの道具ならどれでも測れるので、お好みの1つを手に入れてくださいね。
止型スコヤ
このスコヤは、画像の状態で自立するタイプです。例えば下に載せている定盤と組み合わせると、立方体の角度を見ることもできます。
もちろん、45度、90度を測ったり、印をつけることもできます。角度が予め決まっているので、組物を作る時にあると便利です。
角度が自由に測れるプロトラクターと比べて少々扱いずらいので、必須ではないですが、あると便利な道具です。
スコヤ
止型スコヤに比べて薄いため、小回りが利き、扱いやすいと言えば扱いやすい工具です。
金属を組み合わせるときに、直角がでているかどうかをはかるのに使いますね。
もちろん、直角も直線も測れます。
アナログノギス
ノギスとして幅、高さ、奥行き、内径などをはかるのは勿論のこと、平行線を引いたり、四角形の向かい合う辺の平行具合を見ることもできます。
金属の端からX mmの部分を切る、といった時に、印をつける為にも使います。
線を引くのに使ったりするなど、本来のノギスの扱い方よりかなり乱雑に扱うことが多いので、JIS1級の精度はもったいないかもしれません。
プロトラクター
この中では唯一自由に角度を測ることが出来る工具。三角形でよく見かける30度や 60度はもちろん、プロトラクターがあれば57度とか93度とかの面倒な角度を持った金属パーツを作ることが可能です。
あるとないとでは作業効率が断然違います。これだけは必ず手に入れましょう。
自分の削り方のくせを知る
直角を出したいと意識して金属を削ったら、その面がどう削られているかを観察してみましょう。測ってみて、正しく求めていた直角なら何も問題は無いです。
求めている直角になっていないですか?
では逆に、どのような形になっていますか?
面が斜めになっている、真ん中が高くアーチ形になっている、向こう側の角が落ちている…色々な形があると思います。
幾度か同じように削っていると、削り損じの中に一定の法則が見出せませんか?
毎回同じように傾いてたり、角が落ちていたり…。それを見つけることができたらチャンスです!
無意識での持ち方、削り方での自分の癖がはっきりしたら、そうならないように意識すればよいのです。
例えばいつも手前の角が落ちてしまいがちなら、
- 地金を持つ角度が手前に傾きすぎているかもしれないから、少し奥側を起こす。
- ヤスリが金属と触れる場所を少し後ろに意識する。
こういったことを意識して削ります。
直角を出す具体的なやり方
糸鋸で切り抜く
糸鋸でまっすぐきれいに切れると、少し縦ヤスリをかけてやるだけで、仕上げの作業に入れます。
一番効率的で、銀を無駄にしないやり方です。
定盤で凹凸を見る
定盤に対して垂直に、直線を出したい金属面を押し当てます。真上から力をかけたまま、数回前後させます。
すると、凸部分だけ金属がつぶされて、光沢のある面になっているはずです。そこだけ削り落とすようにヤスリをかけます。
醜いようであれば、その面にマジックを塗っておくと、凸部分だけマジックが剥げて見やすくなります。
金属を固定してヤスリをかける
自分が銀を持つ角度に自信がない場合、銀本体を固定してしまうと話は早いです。
フリーハンドで持っている銀を、ヤスリで削るときに比べ、動いたり、ずれたりしません。動くのはヤスリをかける手だけになるからです。自分の癖を見抜くのにも使えます。
バイスや万力などで固定しなくても、定盤に置いた状態や押し付けた状態でやるだけでも、自分の癖がどこにあるかを見抜くのに役立つでしょう。
角度のチェック方法
まっすぐの直線が出ているか見る
定規にあてて光に透かしている
直線を出したい金属の辺に定規を当てて、明るい方に向けます。定規と銀の間から光が漏れれば、その分だけそこがへこんでいることがわかります。
逆に、一切光が漏れなけば、まっすぐの辺が作れていることになります。
もちろん、定規のかわりにプロトラクターやスコヤなど、ここまでに紹介した道具の直線部分を使っても同じことが出来ます。(凹凸があったり重かったりして少々扱いにくいですが…)
定盤にあててチェックする
定盤に、直線を出したい金属を、その辺を下にしてのせます。
金属の分厚さや長さにもよりますが、凸凹のない面が出来ていれば、自立するはずです。
自立するはずなのにしない場合は、定盤の上にスコヤを置き、それに合わせて金属片を立たせます。垂直になるように補助してやると、案外立ちます。
ただし、金属が分厚いと、多少歪んでいても立つようになるのであてになりません…。金属板本体のサイズ(表面積)にもよりますが、厚みが2 mmを超えたら勝手に自立するものと思ってよいでしょう。
角度を測る道具を使う
90度ちょうどを見るならスコヤが便利
直角が出ているかどうかを見たいなら、このスコヤ、という道具が便利です。自分が削った物の、内側や外側が90度かどうかを見ることが出来ます。
色々な角度をみたいならプロトラクターが便利
鋭角から鈍角まで、好きな角度を調べたり、出したりしたい場合はこのプロトラクターが便利です。算数などで使った分度器があれば、分度器+定規でも同じことができます。
組物のパーツを作ったり、正確な角度が必要な道具を作る時に重宝します。
金属を90度にするためのコツ
直角を初め、角度を測るには、
角度を測る道具
- スコヤ
- プロトラクター
- 定規や定盤
を使うと確実です。
また、自分の削っているときのくせを知った上で、
- 糸鋸できれいに切り抜く
- 角が落ちないように削る
といった点に気を付けると、きれいな角が出しやすくなります。